事業承継とは

事業承継とは会社の経営を後継者へと引き継ぐことを指します。
事業承継にはおよそ3つの形があります。
親族承継、従業員承継、M&Aを利用した事業承継の3つです。
1つずつ概要を見ていきます。

・親族承継
親族承継は経営者の子どもや親族に会社を引き継ぐ事業承継です。

親族承継の利点は株式を引き継ぐ際にかかる相続税・贈与税が猶予される税制が設けられていることです。
事業承継のための株式相続・贈与であれば納税が100%猶予されます。
ただし注意点として、この税制の適用を受けるための条件を満たさねばなりません。
その条件とは、今後5年以内に事業承継計画書を提出し、10年以内に実際に事業承継を行うことです。
親族承継を考えている場合は早いうちから準備していくことをおすすめします。

・従業員承継
従業員承継は、社員や役員を社長として登用し、株式を買い取ってもらうことで事業承継を行います。
これはマネジメント・バイアウト(MBO)と呼ばれる方法です。

従業員承継の難点は後継者に株式を買い取るだけの資金が用意できない点、そして現経営者の方が金融機関から受けていると思われる個人保証という負担を後継者の方が背負えるのかという点です。

解決策としては株式を買い取れるように株式評価額を下げる、または種類株式を発行するといった方法を取ることができます。

・M&A
M&Aとはmerger and acquisition(合併と買収)の略で、企業同士の売買を指します。

このM&Aを利用すれば後継者が見つからない場合であっても、会社を残すことができます。
そればかりか現経営者の方は会社を売った売ることで、相当な対価を得ることができます。

また後継者を選択する範囲が広がり、適切な後継者が経営者になるため、会社のさらなる発展を期待することもできます。